スケールが大きく、幸せで、豊かな人生。
そして汲めども尽きぬおもしろさにあふれた人生。
自身の奥深くに眠る宝を発掘する作業をたゆみなく続けるーー
そんな生き方は、それ自体が芸術です。 「ビッグ・マジック」が眠る場所、 それこそが創造的な人生なのです。(本文より)
表紙裏の本文中からの引用、これだけで素晴らしい本と確信しました。
仕事をする上で大切なことの一つは「夢中になる」ことです。夢中であれば、難しい課題も、苦手な上司も、働かない同僚も、いろいろ見え方が変わってくるでしょう。
著者のエリザベス・ギルバートが大切にしている信念、それが「充実した人生を送りたければ、どんなときも創造的であること」です。毎日が退屈、ハリがない、単調でつまらないとそんな風に思っている人はぜひ読んでみてください。
各章で印象に残ったフレーズをご紹介したいと思います。
Chapter1 「恐れ」を乗り越え、充実した人生を送るには
1925年アメリカペンシルバニアに生まれたジャック・ギルバートという詩人の教えです。
勇気がなければ、世界がどれだけ豊かさを差し出してくれたとしても、それを味わえないままに終わるだろう。勇気がなければ、きみたちの人生は小さくまとまったまま終わるだろう。おそらくきみたちが期待しているよりもかなり小さく
宝探しに出かける勇気を持っているかどうかが、退屈な人生と心躍る人生を分けることになります。充実した人生は「恐れ」よりも「好奇心」を原動力とする人生なのです。そして「恐れ」という感情は本当につまらない、恐れに支配されている限り、永遠に変化は訪れず、歓びもなく、驚くべき展開も予想外の結末もない、ということです。
そして「勇気」と「恐れ知らず」の違いについても書かれています。「勇気」とは恐れを克服して何かをやってみる精神、「恐れ知らず」とは「怖さ」が何であるかわかっていない状態。「恐れ」は現実的に必要で、うまく付き合うことが大切ということです。
Chapter2 インスピレーションとともに生きる
肉体を持たないアイデアにも意識があり、意思も備わっています。そしてアイデア「出現させてほしい」という衝動を持っています。人間というパートナーを得なければアイデアはこの世に出現することはできません。
私たちが力を尽くしてはじめて、アイデアを虚空から現実世界へとスムーズに誘い出すことができる
アイデアがパートナーを探し求めているところ、私たちはそれを受け入れられる余裕を持って生活してますか。オープンでリラックスした精神状態のとき、心の鎧が外れ、不安から解放されているときがチャンス、アイデアが私たちにアプローチしてきます。
インスピレーションを受けたときに誰もが感じる身体的・感情的な兆候(両腕に走る寒気、逆立つうなじの毛、胃もたれ、ワクワク感、恋に落ちるときや夢中になるときの感触)は、じつはアイデアの仕業。
Chapter3 誰もが「やりたことをやる自由」を持っている
創造的な人生を送るのに、他人に許しを乞う必要はない。人として生まれた以上、あなたには創造する権利があるのです。
歴史上ほとんどの時代において、ものを作るというのはシンプルな行為であり、深刻な問題ではなかったので、このことを心に留めて創造をすることが大切です。おもしろさや新しさを追求するのは、おもしろさや新しさが好きだからです。
芸術には、まったく何の意味もありません。
と同時に、深い意味に満ちています。
Chapter4 決してあきらめない
誓いを立てて、ワクワクしながら学び続けること。そして学び始めることに遅すぎるということはありません。私も35歳ですが、新しいこと夢中になれることを学び続けたいと思います。
すべての人間にとって、創造性を育むために必要不可欠なのは、勇気を持ち、魔法を受け入れ、許されていると知り、決してあきらめずに、信じ続ける心です。しかもこれらはみな、誰の手にも届くところにあります。
うまくいくコツは「できるようになるまで、フリをすること」と、ものすごく努力家な適当主義者であること。何かを最後までやり遂げたら、とにかく最後までやったということだけでも他をお大きく引き離していることになるのです。
Chapter5 好奇心を信じ続ける
作り上げたものを神聖視しすぎないこと。
神聖視すべきはむしろ、プロジェクトにかけた時間、その時間があなたのイマジネーションを広げるためにどう使われたか、そして、広がったイマジネーションがあなたの人生をどう変えたか、という側面なのです。
「情熱が向こうからこちらへ来てくれるのをじっと待っていればいい人間ではないからこそ、私はただひたすら書き続けているのです」こう著者は言います。私たちも同じで、ひたすら何かを続けること、自らの好奇心を信じ続けることをしたいですね。